六月の産声 一番きれいな夏だった。【六月の産声】 すっかり新鮮味の消え失せた社会人生活。同じ日常の繰り返しで、代わり映えのしない景色に虚しさを覚えていた。周りは人生をどんどん先へ進めていくのに、自分の人生だけがいつまでも止まっている。数年前と今、何も変化のない足踏みのような暮らしは、世間から取り残されるような寂しさを、日々静かに募らせていた。そんな寂しさから逃げるように足を踏み入れた… 六月の産声